フレックスタイムを検討したほうがいい?
最近はリモートワークも増え「フレックスタイム制度」が話題になっているようです。管理者としては、よし効率が良さそうだからやってみよう!とすぐ始められるものではなく、手続きや社内ルール、勤怠管理フローの対応等様々な課題が出てくることかと思います。
実際に行うためには必要なものをご紹介します。
フレックスタイムとは
3ヶ月以内の一定期間(清算期間)の総労働時間を定めておき、労働者がその範囲内で毎日の始業と終業の時刻を選択して働くことができる制度です。
これによって仕事とプライベートの時間を労働者自身で決められる裁量が増えるため、より効率的に働きライフスタイルを充実させることができるようになります。
「コアタイム」と「フレキシブルタイム」
労働時間はコアタイムとフレキシブルタイムで構成されます。
コアタイムとは、必ず仕事をしてもらう時間です。
フレキシブルタイムとは、労働者が始業・終業を自由にできる時間を言います。
導入に必要なこと
①就業規則(常時10名以下でない場合はそれに準ずるもの)に始業・終業時間を労働者の自主決定に委ねる旨を定めること
→始業・終業時間の両方を自主決定に委ねなければなりません。片方だけ指定した場合はフレックスタイム制と認められません。
②労使協定で以下のフレックスタイムの内容を締結すること
- フレックスタイム制の労働者の範囲
→(例えば)全員、正社員、〇〇事業所で勤務するものなど - 3ヶ月以内の清算期間
→この清算期間が残業計算等の基準になります。1週間などでも設定可能です。 - 清算期間中の総労働時間
→平均して法定労働時間(1週間で40時間)を超えてはいけない。 - 標準となる1日の労働時間の長さ
→基本的には、定めた総労働時間を清算期間の所定労働日数で割った時間になります。 - 労働者が労働しなければならない時間(コアタイム)を定める場合にはその時間帯の開始及び終了の時刻
→これは必要がなければ定めなくても大丈夫です。例えば「1日のうち13時-15時の2時間は必ず仕事をしてください。」という定めです。 - 労働者の意思で労働することができる時間帯(フレキシブルタイム)に制限を設ける場合には、その時間帯の開始及び終了の時刻
→これも必要がなければ定めなくても大丈夫です。基本的に労働者の勤務時間はお任せですが、「土日や夜遅くの仕事はやめてください。」などの定めです。(正確な時間を定める必要があります。)
準備段階では2点、「就業規則」で定め、「労使協定」を結ぶことが必要です。
※労使協定に関しては②の清算期間が1ヶ月超の場合は、労働基準監督署に届出が必要です。しなかった場合は、30万円以下の罰金がありますのでご注意ください。
残業の考え方
清算期間が①1ヶ月以内の場合と②1ヶ月超の場合で、2通りの計算方法があります。
①清算期間が1ヶ月の場合
Aさん
1日の標準労働時間 8時間
総労働時間177時間
実際に働いた時間:193時間
(実際に働いた時間)193時間-(総労働時間)177時間=16時間
16時間がその清算期間における残業時間となります。
②清算期間が3ヶ月の場合
Bさん
1日の標準労働時間 8時間
総労働時間525時間
実際に働いた時間:540時間
⑴(実際に働いた時間)540時間-(総労働時間)525時間=15時間
⑵1ヶ月ごとで区切り、週50時間を超えている時間
1か月目:180時間→0時間
2か月目:210時間→10時間
3か月目:150時間→0時間
15時間+10時間=25時間が残業時間となります。
Aさんの場合は単純に実際に働いた時間と予め決めてあった時間を比較するだけですが、Bさんの場合(清算期間が1ヶ月超)では、1ヶ月ごとで区切って、週平均50時間を超えた部分も残業時間となります。
大きくまとめますと上記になります。
フレックスタイムは、社員のライフスタイルに合わせて働き方を提供でき、働き方に多様性の出てきているこれからの時代にとてもマッチしていると感じます。
しかし、勤怠管理をはじめ社員が同じ時間に出社しない等の面では管理側は最初はとてもやりにくい部分も多いと思います。現に私も一部フレックス制度の社員管理も行っておりますがなかなか悩む部分は多いです、、
ですがこれからの人事採用を考えても、多様な働き方の会社というポイントは大きくなってくると思います。時代に早い段階から適応できるようぜひこの記事をご検討のお役立て頂けたらと思います。