雇用調整助成金とは?

雇用調整助成金とは、景気の変動の影響を受けて事業活動の縮小を余儀なくされた場合等に人員整理、いわゆるリストラを行うことで、継続的な企業活力の維持・社会的な雇用不安とさらに落ち込んでいくことになるので、雇用維持を効果的に進めるためにある制度です。


一般的な「雇用調整助成金」と、新型コロナウイルスに伴って需給範囲が拡大されている「特例雇用調整助成金」をご紹介します。
事業者は、この制度を活用することにより基準日から1年間の間休業補償等を受給することが可能となります。
助成率は、下記の通りです。
※ただし、1日あたりの上限額は8,330円です。

大企業 4分の3
中小企業 3分の2


雇用調整助成金」を活用できる際の条件としては社員の状態が以下にあてはまっている必要があります。

 

  • 休業・・・所定労働日に働く意思と能力があるにもかかわらず、労働することができない状態。
  • 教育訓練・・・職業に関する知識、技能または技術を習得させ、または向上させることを目的とする教育、訓練、講習等であって、所定労働日の所定労働時間内に実施され、かつ、当該教育、訓練、講習等を受講する労働者が当該所定労働日の全一日にわたり業務に就かないもの。
  • 出向・・・労働者が事業所の従業員たる地位を保有しつつ、他の事業主の事業所において勤務すること又は将来出向元事業所に復帰することその他の人事上のつながりを持ちながら、一旦出向元事務所を退職して、出向先事業所において勤務すること。

対象となる事業主

 

① 本助成金は、「景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由」により、「事業活動の縮小」 を余儀なくされた場合に、その雇用する対象労働者の雇用の維持を図るために、「労使間の協定」に 基づき「雇用調整(休業・教育訓練・出向)」を実施する事業主が支給対象となります。

② 本助成金を受給する事業主は、その他次の要件を満たしていることが必要です。 ① 雇用保険適用事業主であること。 ② 「受給に必要な書類」について、 a 整備し、 b 受給のための手続に当たって労働局等に提出するとともに、 c 保管して労働局等から提出を求められた場合にそれに応じて速やかに提出すること

③ 労働局等の実地調査を受け入れること
助成金を受給する事業主は、次のいずれの場合にも該当していないことが必要です。 

  1. 平成31年3月31日以前に申請した雇用関係助成金について不正受給による不支給決定又は支給決定の取 り消しを受けたことがあり、当該不支給決定日又は支給決定取消日から3年を経過していない。 
  2. 平成31年4月1日以降に申請した雇用関係助成金について不正受給による不支給決定又は支給決定の取 り消しを受けたことがあり、当該不支給決定日又は支給決定取消日から5年を経過していない。
  3. 平成31年4月1日以降に申請した雇用関係助成金について不正受給に関与した役員等がいる。
  4. 支給申請日の属する年度の前年度より前のいずれかの保険年度における労働保険料の滞納がある。
  5. 支給申請日の前日から起算して過去1年において、労働関係法令違反により送検処分を受けている。 
  6. 風俗営業等関係事業主である。 
  7. a. 事業主若しくは事業主団体(以下「事業主等」という。)又は事業主等の役員等が、暴力団員による不 当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。以下「暴力団対策法」という。)第2条第2号に規 定する暴力団又は第2条第6号に規定する暴力団員である。
    b. 役員等が、自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもって、暴力団又は暴力団員を利用するなどしている。
    c. 役員等が、暴力団又は暴力団員に対して、資金等を供給し、又は便宜を供与するなど直接的あるいは 積極的に暴力団の維持、運営に協力し、若しくは関与している。
    d. 役員等が、暴力団又は暴力団員であることを知りながらこれを不当に利用するなどしている。 
    e. 役員等が、暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有している。 
  8. 事業主等又は事業主等の役員等が、破壊活動防止法第4条に規定する暴力主義的破壊活動を行った又は 行う恐れがある団体等に属している。 
  9. 倒産している。
  10. 雇用関係助成金について不正受給を理由に支給決定を取り消された場合、労働局が事業主名等を公表する ことに承諾する。

やはり国の制度ですので、必要書類やその後の実地調査などは必ずありますが、「雇用調整」を行わざるを得ない場合には活用できる可能性が高いです。

 


経営的に知っておいて損はないのでぜひ知って頂けたらと思います。次回で、受給手続きに必要なものをご説明します。